小倉和夫・元駐韓日本大使は「日本でウイルスが流行っている。韓国と日本の関係が悪いという認識のウイルスだ。(感染した人は)上から狭小に見る人々だ。(下の)市民たちはすでにグローバルな観点で関係を結んでいる。両政府は市民の観点から見るべきだ」と述べた。
シン・ガクス元駐日韓国大使は「韓日がゼロサムの関係だという考えを捨てるべきだ。多様な分野でポジティブな関係を結ぶことができる」と指摘した。また、近藤誠一・前文化庁長官は「持続的な協力に向け前提とすべきことは、韓国と日本は違う国であり、地政学的な立場も異なるということ。(地理的に近いため戦略も同じであるべきだという)幻想を抱かず、違いを認めてこそ成熟した発展を遂げられる」と説いた。
この50年間の韓日関係に対する評価も示された。高麗大の廉載鎬(ヨム・ジェホ)総長は「韓日は総じて協力と競争、緊張関係の中で発展し、未来へ向かう道を敷いた。市民共同体の土台が構築されれば、政府の間に葛藤があっても両国関係が揺らぐことはないだろう」と述べた。添谷芳秀・慶応大教授も「世界的に見て、植民地の支配国と被支配国がこれほど真剣に相手に向き合い、問題を議論したのは異例のことだ。ネガティブな面を強調する傾向があるが、ポジティブな面の方が強かった」と語った。
歴史問題での葛藤を超えて韓日が接点を見いだせる共通の課題として、出席者らは北朝鮮問題を挙げた。趙世暎(チョ・セヨン)東西大特任教授は「北朝鮮の変化を引き出すため、韓国だけでなく日本が積極的に関与すべきだ。韓国と日本が足並みをそろえてこそ、米中が主導する東アジア問題の解決において域内国の正当な主張を反映させることができる」と指摘した。