Press Release

[オピニオン]慰安婦財団発足日の「テロ」

  • 2016-07-29
  • 権純活(クォン・スンファル)論説委員 (東亞日報)
民間シンクタンクである韓国の東アジア研究院(EAI)と日本の言論NPOは2013年から毎年「韓日共同世論調査」を実施する。日本に対する印象を「良い」と答えた韓国人は昨年15.7%から今年21.3%に増えた。韓国に対する印象を「良い」と答えた日本人も23.8%から29.1%に増加した。否定的な回答が依然として多いが、従来より改善された。EAIの李淑鍾(イ・スクチョン)院長は、「韓日国交正常化50年の昨年、両国が11月の首脳会談と12月の外相会談で慰安婦合意を引き出した努力が反映された」と分析した。

 

◆「慰安婦問題」はここ数年間、韓日関係を悪化させた核心要素だった。反人権的な加害に対する日本の不誠実な対応と韓国の反発で、両国関係は国交正常化後、最悪の状態に突き進んだ。韓日外相会談では、慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒すために日本政府が予算から10億円(約107億ウォン)を拠出し、韓国政府が運営する財団を設立することで合意した。両国いずれも一部の反発はあったが、現実的に接点を見出せる次善の合意だった。

 

◆慰安婦支援のために28日に発足した「和解・癒し財団」の金兌玄(キム・テヒョン)理事長が、20代の男性からスプレー缶に入ったカプサイシンを吹きつけられる事件が起こった。カプサイシンは唐辛子から抽出される揮発性化合物で、唐辛子の辛味を出す成分だ。女性家族部の公務員3人と機動隊職員1人も病院で治療を受けた。幸い大きな被害はなかったが、衝撃的な事件だ。

 

◆韓日合意に不満を持ち、「和解・癒し財団」に反対することはできる。しかし、自分の考えと違うからと過激な行動に出ることは容認できない。暴力的手段は国民に背を向けられ、国際社会での韓国イメージにも悪影響を及ぼす。日本の政府や政界でも、被害者を傷つける不適切な発言はもはや出ないだろう。慰安婦問題をめぐる対立が再演されないよう両国が官民共に努力する必要がある。